カウンセリングの現場では、この論理療法というものを用いて、相談者様の悩みを解決することがあります。

論理療法とは、アルバート・エリスという人によって提唱された心理療法で、人の考え方にアプローチして悩みを和らげていくものです。

その際に用いられるのが、「ABC理論」というものです。

では、論理療法とABC理論とはどのようなものでしょうか。

解説していきます。

 

論理療法の基本

 

論理療法では、人は、悩みや問題を抱える時、偏った、また凝り固まった思考、考え方が原因するという捉え方をしていきます。

人は、信念を持つものですが、人生を歩んできた中で、ゆがんだ信念を持つことがあります。

そのゆがんだ信念を通して、否定的な感情が生まれ、苦しみや悩みに行き着くことになります。

論理療法では、柔軟で対応力が高い信念もしくは思考をラショナル・ビリーフ、そして、ゆがんだ、合理的でない信念をイラショナル・ビリーフと呼びます。

このイラショナル・ビリーフに働きかけていく際、それがいかに不合理かを相談者と一緒に考え、柔軟なビリーフに変えていくこと、これを目標とします。

そうすることによって、積極的な感情を持ち、不安などのネガティブな感情を減らしていくようにしていきます。

 

ABC理論とは

このABCとは、次の頭文字を取ったものをいいます。

A:Activating event 出来事
B:Belief 考え方・受け取り方
C:Consequence 結果としての感情や行動

つまり、論理療法では、出来事が生じた際の感情には、必ずその人の考え方を通るというふうにみます。

つまり、A→B→Cとなるということですね。

実際どうでしょうか。

何か仕事上の失敗をしたとします。

これは、ABC理論で言うところのA、出来事です。

それに対し、それほどダメージを受けずに次へと目を向けられる人もいれば、もう落ち込んでなかなか立ち直れない人もいます。

これは、Cの「結果としての感情」ということになりますね。

このように、同じ出来事があっても違う結果を生み出すのはなぜかというところ、これが、Bの「考え方、受け取り方」の違いが影響するというのがABC理論です。

つまり、多くの人は、A→C、としか認識していませんが、実は、A→B→Cという、考え方、受け取り方を挟んでいるということですね。

 

イラショナル・ビリーフに注目し、訂正する

 

もし、落ち込んでなかなか立ち直れないのであれば、その人は本当に苦しいですし、自分を責めてやめられないかもしれませんよね。

それはぜひ避けたい結果です。

では、そのような結果を避けるためにはどうしたらいいのでしょうか。

ここで、B:ビリーフに注目するのです。

その人が、どんなイラショナル・ビリーフを持っているかを探るわけです。

イラショナル・ビリーフには、代表例として次のような信念が含まれます。

「……しなければならない」
「絶対に間違っている」
「許されないことだ」

上の例で言えば、「仕事は絶対にミスしてはならない」というようなイラショナル・ビリーフが見えてきますよね。

しかし、本当にそうでしょうか。

イラショナル・ビリーフは、独断的で論理的でない思考、また、非合理的な信念と言い換えることができます。

こんな特徴があります。

・事実に基づいていない
・論理的でない
・偏って凝り固まっている
・極端に一般化している

確かに、「仕事は絶対にミスしてはならない」という信念は、論理的でありませんし、極端な考え方ですよね。

それで、カウンセリングの現場では、この信念が、

論理的か
柔軟か
現実的か
役に立つか

を、相談者様と一緒に考えていくわけです。

例えば、「仕事は絶対にミスしてはならない」という考え方について、

論理的か:仕事にはミスがつきものである
柔軟か:「~してはならない」は凝り固まった考えである
現実的か:人に完全さや完璧さを求めるのは現実的ではない
役に立つか:ミスすることで自分を全否定することは自分の成長を阻害することになり、役に立たない

ということを、相談者様に考えていただきます。

そうすると、自分が知らず知らずの間に育ててきた信念が、実は間違ったものであることに気づいていただくことができます。

そして、これを、論理的で柔軟なビリーフに変えていくよう、導いていきます。

この場合であれば、「人間誰しもミスすることはある」「ミスは人間として成長していく良い機会である」というラショナル・ビリーフを持っていただくのです。

これが、論理療法の進め方です。

イラショナル・ビリーフがなくなれば、感情が安定する

 

ここまでお読みになって、当然そうなることはご理解いただけると思います。

先ほどのビリーフ、「人間誰しもミスすることはある」「ミスは人間として成長していく良い機会である」というところを通過して出てくるC:感情や行動は、「ホッとする」「これからもやる気を持続できる」「自分の成長が楽しみになる」という、前向きな感情が生まれてきます。

しかし、カウンセリングの中でこの結論が出たとしても、イラショナル・ビリーフはすぐには消えないかもしれません。

そこで、相談者様には、ホームワークを行なっていただくことが多いです。

それは、日常生活で、イラショナル・ビリーフをラショナル・ビリーフに変えていただくための練習です。

大変かもしれませんが、前向きに取り組んでいただきたいと思います。

 

終わりに

 

論理療法は、たしかに論理的に進められていくものだとおわかりいただけたでしょうか。

自分と向き合うこと、しかも自分の間違いと向き合うことはたいてい不快で、エネルギーを消費するものです。

しかし、イラショナル・ビリーフを通って出てきた感情に抵抗するのも、エネルギーを消費しますし、どちらかと言うとエネルギーの浪費と言えるかもしれません。

どうせエネルギーがいるのなら、楽になるためにエネルギーを使いたいですよね。

カウンセラーはそのためのお手伝いをいたします。

この情報が、カウンセリングを受けることのハードルを下げるものになることを願っています。

 

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